コロナが騒がれて1年ほど経ちますが、41度の高熱が出た挙句、PCR検査までしたのでもし同じような境遇の方がいればと思い、備忘録も兼ねてその時の様子を記事にしておきます。
子供ならともかく、大人で41度の高熱が続くのは正直焦ったので。
※結論から申し上げますと、高熱の原因はインフルでもコロナでもなく、大腸炎でした。
(ちなみに下痢は酷かったものの、正直腹痛はそれほど酷くなく、吐き気も全くありませんでした。
大腸炎=吐き下しというイメージがありますが、そうでもないんですねえ・・・)
突然の発熱に最初はコロナかインフルを疑った
2020年12月7日。
いつも通り仕事をしていると、お昼ごはんのラーメンを食べ終わったあたりから、急に悪寒が襲ってきた。
もしやラーメンに悪いものが入っていた??などと考えつつ、前日は少しお酒を飲みすぎたこともあり、「まあ飲みすぎた翌日なんて身体おかしくなるよなあ」ど楽観視したまま午後の仕事を迎える。
コロナ禍ということもあり、事務室には中国製の安い、オモチャみたいな非接触型体温計が設置されていた。
体温計が事務室に届いたときに、職場のみんなと遊びで体温測定をしてみたことがあり、だいたい平熱より0.5度~1度低めに出る仕様であることは確認済みだ。
つまり、これで測って熱があったらマジでヤバイかな、というような感覚である。
↓ちなみにこれは、この日の昼休みに食べたラーメンである。
旨かったが、食べ終わる直前くらいからちょっと体調に異変を感じ、最後チャーシューを少し残してしまったのがもったいない・・・・。
昼休みが終わって1時間が経った。
それほどハードな仕事でもないので、席に座っていればある程度身体は休まるのだが、それでも謎の悪寒はおさまらない。
悪寒の心当たりもないし、風邪っぽさも喉の痛みや味覚の異常もないので、「いや、さすがに熱があるってことはないよな?」と思いながらも熱を測ってみることに決めた。
コロナ禍真っただ中のご時世である。
体調不良者が職場にいるというだけで大騒ぎになりかねないので、周りに隠れながらおでこに体温計を当ててみる。
(体温を測っているところを見られ、「体調悪いんですか?」と声をかけられたが、「いや、大丈夫ですよ~それよりこれ、事務室に置いてあるのに誰も使ってないな~とか思って(笑)」などと言ってごまかした。
大嘘である。)
コロナだったら、おそらくもう年内いっぱいは仕事に行けなくなる。
恐る恐る測定結果を見てみると・・・
37.4度。
コロナ的にはセーフの熱だ!!と思いつつ、「このオモチャ体温計でこの熱が出ているということは、実際は・・・・」と怖くなってきた。
測定結果を見て、余計に悪寒がひどくなったような気分だ。
30分ほど考えた後、おそらく実際は38度前後まで上がっているだろうし、 ともあれ早めに帰って熱を下げたほうが良いと判断して、早退することに決めた。
上司や周りには「ちょっと体調が悪い、なんか頭が・・・」などとテキトーなことをいってそそくさと荷物をまとめる。
頭なんて全く痛くないし、正直身体の不調も熱以外は感じられないが、熱の原因が分からない状態で、発熱していることなど言えるはずもない。
帰宅すると38.5度まで熱が上がってくる
帰宅して改めて熱を測ってみると、38.5度まで熱が上がっていた。
(便宜上「上がっていた」と書いたが、実際はたぶん職場にいた時からこの熱があったのだろう。)
その時点で症状は熱と関節痛、下痢等々。
味覚異常や咽頭痛はないものの、このご時世なので大人しく家で休むことにする。
1日程度で熱が下がったら、もう誰にも何も言わずに日常生活に戻ろう。
さすがに今、発熱を正直に告げたら、職場は大変なことになる。
そんな思いがグルグルしつつ、「こういう輩がいるから、コロナは広がるんやぞ」と頭の中で自問自答を繰り返す。
発熱を隠せそうなら無かったことにしたい・・・などと戯言を言って迎えた翌朝、ひとまず熱を測ってみた。
正直、マジでびっくりした。
39.5度。
さすがに仕事に行くわけにはいかないので、ひとまず職場に「まだ体調が思わしくない」とだけ言って1日休みをもらう。
隠す、隠さないなどと言っていられなくなってきた状況だが、現実問題としてコロナ禍の現状、すぐに病院に行くわけにもいかない。
原因も分からないし思い当たる節もない、ということはまさかコロナ・・・・?
そんな不安を抱えながらも、「まあ寝てたらあっさり解熱するかもしれないし」などと考えつつ、午前中をベッドの中で過ごした。
この時点では解熱剤を飲んでいないので、(当たり前と言えば当たり前だが)、熱は下がる気配を見せない。
仕事を休んだ1日目は、結局39度台の発熱を維持したまま、いつのまにか夜を迎えた。
この時点で、すぐ熱が下がるだろうという甘い考えにだんだんと冷たい風が吹きつけるような感覚があったわけだが、翌朝もやはり、少しも解熱する気配はない。
さすがに詳しい病状を言わず2日も3日も仕事を休むわけにはいかないので、午後2時を過ぎたあたりでついに「隠す」などという幻想は諦め、病院に行くことを考え始めた。
行政のコロナセンターに電話後、近くのクリニックへ
コロナ禍ということもあり、熱がある場合にはいきなり病院に行くことは禁止されている。
もうここまで来たら正しい手順を踏もうと腹をくくり、まずは京都市のコロナ相談センターに電話をかけた。
かつては保健所に電話が繋がらないとか、熱があるといっても相手にしてもらえないだとか色々な噂があったようだが、電話をかけると2コールくらいで、感じの良さげが女性が対応してくれた。
熱があることやその他の症状について話すと、すぐに「職場にコロナ患者はいるか」「クラスター発生地域に行ったか」「コロナ患者と濃厚接触したか」という3点について尋ねられる。
特に該当しない旨を伝えると、近くのクリニックに電話をかけて、「コロナ相談センターに一般診療で良いと言われたといえば診察が受けられます」と指示を受けた。
特にかかりつけ医がなかった私は、Googleマップで近くの評判が良さそうなクリニックを探し出し、診察してもらえそうかの電話をかけることにした。
午後診の指定された時間であれば診てもらえるとの回答だったので、その時間までしばしベッドで休むことに決めた。
他に患者さんがいない時間を作ってくれ、インフル検査とPCR検査
指定された時間にクリニックを訪れると、受付すら行わず、静かに一番奥のベッドに案内される。
他の患者さんは誰一人いないので、もしかすると「コロナの可能性がある患者を受け入れる場合は、他の患者と接触させないようにする」という徹底した対策が取られているのかもしれない。
一番奥のベッドに腰掛けるよう指示され、まずはインフルエンザの検査が行われる。
検査方法は一般的な、綿棒を鼻の奥に突っ込むタイプだが、コロナの可能性があるということもあり、先生が綿棒を持つのではなく、カーテンを閉めた状態で私自身が自分で検査をさせられた。
こうすることで飛沫が飛ばず、病院の関係者が濃厚接触者にならずに済むのだそう。
インフルエンザの結果、待つこと3分。
その間もカーテンを閉められ、一人で待機させられる。
「症状的にはインフルかな?インフルじゃなかったらコロナか・・・インフルでありますように・・・・」と祈る3分が過ぎた。
結果は陰性。
妊娠検査薬のように、A,B,Cと円が書いてあるうち、Cの部分に濃い縦線が出ているのを見せられた。
自分で検査したから、うまく検査結果が出ていないんじゃないの?などと訝しげな顔をしたのがバレたのか、「もし検査が正しくできていなかったら、どこにも線が出ないから。Cに線が出ているでしょう?だから、検査は正しくできているんです。」と諭されてしまった。
そしてインフルエンザが陰性だと分かった瞬間、流れるようにPCR検査へと移った。
京都は検査数が少ないからコロナ感染者が少ないだとか、熱があってもなかなか検査をしてもらえないとか、そんな噂もあったなあと思いつつ、あれよあれよという間に検査キットを手渡されてしまった。
PCR検査は京都市の補助で無料で受けられ、結果は翌日とのこと。
(ちなみにPCR検査もインフルエンザ検査も、検査のやり方はほぼ同じ、綿棒を鼻に突っ込むタイプのアレでした。自分でやると全く痛くなくて良かったですね。)
突然の激しい震えと寒気からの41.9度の高熱
検査結果を待つその日の夜、ベッドで寝ていると、突然激しい震えと悪寒が襲ってきた。
ここ数日はずっと熱があるのだから、多少なりとも悪寒は感じていたのだが、今までとは比べ物にならない。
室温は25度くらいで冬布団をかぶっている状態。
いくら冬とは言えそれほど寒くはないはずなのだが、スマホの操作がまともにできないほどの手の震えと、歯がガチガチと鳴るほどの異常な悪寒が、本当に突然襲ってきた。
病院で「コロナでも飲めるよ」ということでカロナールを処方されていたので、寒気を感じた時の熱はだいたい37.9度くらいまで下がっていたのだ。
だから私も少し熱があるな、という程度の認識で少し油断していたのだが、そこから悪寒と震えは1時間半ほどおさまらなかった。
身体の震えだけが続く、異様な1時間半である。
温まる目的もあり、レンジで温めたポカリをコップ何杯も飲むが、不思議なことにどれだけ飲んでものどの渇きが癒されない。
「やっぱこれ、ちょっとおかしいよな?熱、上がってきてるよな。」と違和感を覚えながら、震えがおさまらない中体温を測ってみると・・・・
なんと41.9度!
体温計を振り切る勢いで熱が上がっていたのである。
※これは後から知ったことだが、この時点で大腸がかなり炎症を起こしていて、水分やその他の薬を吸収することができず、酷い脱水症状から高熱が出ていたようである。
残念ながら介抱してくれる家族はいない、一人暮らし。
死ぬ前に救急車を呼ばねばと、不安を紛らわすように7119に電話をかけた。
(7119とは、救急車を呼んでも良いか、このまま様子を見て良いかなどについて看護師さんがアドバイスをしてくれる24時間受付のサービスです。)
高熱が続いていること、インフルエンザではなかったことなどを7119の電話口のおばちゃんに伝えたところ、「高熱以外に意識が朦朧とするとか、酷い頭痛がするとか、そういった症状がないのであれば大丈夫なので、今はゆっくり寝てください。」との回答。
41.9度の熱が出て一人でゆっくり寝られるか!と思いながらも、全身に保冷剤を巻き付けてベッドにもぐりこんだ。
(熱さまシートを貼っていたが、あまりにすぐにカラカラになったので、薄いタオルを巻いた保冷剤に切り替えた。)
この時点では食事はほとんど摂れず、ポカリを一口飲めば、15分後にはトイレに駆け込んでいるような状態だったのだが、とにかく高熱のほうが目立って、下痢症状にはあまり意識がいっていなかったのである。
(吐き気も全くなかったし、下痢と言っても腹痛はほとんど無かったので、まさか大腸炎だとは疑いもしなかったのです。)
PCR検査の陰性と血液検査の結果は大腸炎
そんな状態でなんとか一晩を過ごすと、翌日にはPCR検査の結果が出た。
PCR検査とは本当に怖いもので、もし陽性だった場合には保健所から、陰性だった場合には受診したクリニックから電話がかかってくる。
スマートフォンのアプリで「電話帳ナビ」というものがあるが、これを入れていると、電話を取る前にかかってきた電話番号と名前が表示されてしまう。
普段はとても便利なアプリだが、今回の場合、電話を取る前にもし「京都市保健所」みたいな文字が表示されていたら、完全に終わりなわけである。
とまあ結果から言うと幸い、その日のお昼過ぎ頃にクリニックから着信があった。
(その時点で陰性を確信。)
そのあとすぐに血液検査と点滴を行い、無事に(?)大腸炎であることが判明した。
大腸炎というとおなかの痛みだったり吐き気だったりに目がいきがちだが、大腸が炎症を起こしすぎると、水分や栄養が吸収できなくなり、酷い脱水症状に陥るのは非常に一般的な話のようだ。
脱水症状を起こさないようにこまめにポカリスエットを飲んで安心していたが、それらは全く吸収されずにすべて外に排出され、その結果酷い脱水症状で高熱が出ていたというのだから笑えない話である。
そういうケースでは、もう点滴で水分補給を行うしかないようだ。
(すごく不思議だったのが、点滴をすればするほど、収まる気配のなかった喉の渇きがどんどんなくなっていったことである。点滴ってすごい。)
突然の高熱や関節痛、そして喉の炎症も多少あったことから、「インフルか、もしかして、コロナ・・・?」と戦慄した10日間だったが、後で分かったのは、大腸炎は実はかなりの高熱が出るということと、胃酸が上がってくることで喉の炎症も引き起こすということである。
コロナ禍で熱を出すというのは本当に面倒臭いことも多かったが、もし同じ症状に苦しむ人がいたら、そしてもしコロナが怖くて病院に行けないという人がいたら、「こういったケースもあるんだな」とお見知りおきいただければと思う。