前回の記事から2ヘッド理論についてお話してきましたが、難しいのがその例外となるパターンです。
というより、例外となるパターンと王道パターンの意味を見比べて、様々な何切るに対応できるようにする必要があります。
今回も、ウザク本緑でお馴染みの「ウザク式麻雀学習 牌効率」の序盤あたりを主軸にお話ししていきます。
2ヘッドは強い、3ヘッドは弱い
そもそも2ヘッド理論とは、ざっくり言うと「ヘッド候補になるトイツ含みのターツは2つ残そう」というお話で、それは完全イーシャンテンに向かうための布石とするための打法です。
逆に言えば3ヘッドになった時は結構弱い(4ヘッドなら逆に七対子目も見えるので相対的にちょっとマシ)というお話は、ウザク本にも掲載されていますし、色々な方が解説しているところですね。
これは結構基本的な牌譜ですが、ヘッド候補が「8m-8m」「2p-2p-4p」「4s-6s-6s」が3つあり、どれか落とさなければならないよね、というケース。
こういうのは結構「リャンメン固定」とか「トイツほぐし」という手法の説明の時に用いられる牌譜ですが、「3トイツ目をほぐすときは、一番強いターツに手をかける」というやつです。
これで言うと、8m-8mはただの2枚トイツなので弱い、つまり「2p-2p-4p」「4s-6s-6s」の比較になります。
そうなると2p、6sの比較ですが、「2pは端牌だから弱い」ということに気付けるかどうか、がキモになります。
(実戦だと慌てて2s切っちゃいそうですが、手拍子で6s切れるように注意しておきたいですね。)
2ヘッド固定しないパターンとは
ここでお話ししたいのは、2ヘッド固定しない例外的なパターンのお話です。
最初に念押ししておくと、大原則はやはり2ヘッド固定で、2ヘッド固定しなかったからと言って大事故になる場面は少ないです。
細かい差を考える余裕がない初心者のうちは、とりあえず2ヘッド固定で打っていれば大やけどすることはないと思われます。
手役的に2ヘッド残さなくても打点面で有利なケース
こういうケース。
普通に南を切って完全イーシャンテンに取れば、一般的なとても良い形になりますね。
ここで南切りと6s切りを議論するわけですが、正直、分からなければ南切りでもほぼ問題ないと思います。
結論から言うと6s切りで南の安牌抱えが正解です。
ただ、こういう場面でいつでも安牌抱えていれば良いというわけではなく、むしろこれがかなり特殊なケースと認識しておきましょう。
理由としては、「5-6-7」の三色がかなりハッキリ見える上、6s切りをすればピンフが確定するからです。
(※3色が絡まないピンフ確定だけの場合はどうすれば良いの?という感じですが、先切りでピンフ確定であれば、南を安牌として抱えておいて大きな問題ありません。
後述しますが、5m-6m-6mの6m縦引きの目が薄い(もう6mが1枚見えているとか)であれば、完全イーシャンテンに受けるメリットが薄いので、安牌を抱えてもOKということです。
上級者が結構安牌を抱えて先切りしている印象があるのは、そういう理由もあるということですね。)
つまり、ピンフ3色まで見えるような打点面でかなり有効なケースは、南を安牌として抱え、6s先切りが有利になります。
(※強い人と同卓する場合は先切りの効果が期待できますが、先切りに対する考え方は年々色々と変化している上、雀魂の金の間レベルくらいであればそこまでの読みができる人もあまりいないので、先切り効果はあまりないと言えます。純粋に、安牌抱えの価値があると思って良いでしょう。)
こういったケースでは、七対子のイーシャンテンに取るか、1mを切るかの選択になりますが、和了確率で言うと5m切り、期待値(点数)では圧倒的に1mが上です。(聴牌確率はほぼ同じくらい)
もちろん5m切りは七対子の目が残るというメリットがありますが、七対子目を無視したとしても、「1m-1m-3m」と「7s-7s」の2ヘッドを残すという意味でも5m切りな気がしてしまうわけです。
(これと同じ形の例題がウザク本にありましたが、ウザク本では七対子目との比較で1m切り有利としています)
ただ、これもやはり打点面を考える必要があります。
ウザク本の例題では「2-3-4」のような3色がハッキリ見える形だったため、タンヤオ+3色という打点面で圧倒的有利として1m切りをしていましたが、今回載せた手牌であれば、3色はちょっと厳しそう。
それでもシミュレータ的には1m切り、つまり2ヘッド残さないケースが有利となる珍しいケースです。
これの整理(パッと理解できるような雑な整理)としては、
- 2ヘッドとしての縦受けは減ってしまうが、その分タンヤオ役が見えるため打点上昇が大きい
- 1m切っても一旦は1m-3m-5mのリャンカンに受けられるため、受け入れ面でめちゃくちゃ損しているわけではない
と言えるでしょう。
ウザク本ではこの手牌に追加でさらに3色まで見えていたことを考えても、2ヘッド固定しない時にはある程度以上の打点面での上昇が必要、ということでしょう。
これらから導けることは、
「2ヘッド待ちに取るか、片方のヘッド候補トイツを落とすかどうかは、それによって打点の上昇が見込めるかどうかで判断する」ということになります。
今回のケースもそうですが、打点上昇で意識するのはやはり「ピンフ」「タンヤオ」「三色」あたりですね。
2ヘッド残すかどうか迷った時の判断基準
色々と書きましたが、実戦の場面で出会ったらどのように考えれば良いのでしょうか。
①安牌を抱えてリャンメン固定するか
一番最初に提示した、完全イーシャンテンに受けるか安牌抱えにするか、という選択。
これは、考える順番としては
ピンフや三色などの手役が確定するか?(つまり、2ヘッドの縦引きが手役的にあんまり嬉しくない場面か?)
→縦引きの可能性(1枚落とそうとしているトイツの残り枚数)はどんな感じか?
というのを確認し、手役的に有利であれば安牌を1枚持って、先にリャンメン固定してしまうメリットは大きいです。
ただし、当然ですが切ろうとしているトイツがリャンメンターツではなく、例えば「6-8-8」のようなカンチャンターツであれば、一切迷うことなく安牌の字牌を落としてくださいね。
②「1m-1m-3m-5m」と「7s-7s」のような形
こちらを2ヘッド固定するなら5m切りになりますが、手拍子で5m切りする前に、1m切りを考えてみようというお話です。
これのポイントは
- 1m切りしてもリャンカンに受けられるため待ち受け的にそれほど損ではない
- 1m切りによってタンヤオなどの手役的な上昇が確定する
この2点ですね。
逆に言えば、下記のような「1m切りリャンカン固定でもタンヤオにならない(手役的な旨味がない)」というケースでは、手拍子で5m切って大丈夫です。というか切ってください。
つまり、
- 手役確定の場合はリャンメン固定、安牌抱えでOK
- タンヤオなど明確に打点上昇が狙え、かつ極端に待ち受けが狭くならないケースでは、2ヘッドのうち1つを落としてしまっても良い
と言えますね。
これで、2ヘッド理論の例外の考え方が整理できたのではないでしょうか。
ウザク本の序盤に書かれている内容をもう少し掘り下げたような記事になりましたが、参考にしていただければ幸いです。