今回は京都のお店……というわけでもないが、京都にもいくつか店舗のあるチェーン店、『一蘭』の話をしたいと思う。

今回は別に一蘭のレビューをしたいという訳でもなく、一蘭のとんこつラーメンは何故あんなにも高いのか、高いのに何故あんなに人気があるのか、実際のところ海外の人たちは満足しているのか?という記事である。

 

一蘭のラーメンは店舗によって異なるが、都心では1杯980円。

(京都河原町店は2020年現在でも930円だが…)

 

もともと2019年10月までは890円前後で、その時点で量の割にはかなり割高な印象だったわけだが、その後の価格改定ではついに980円まで値上がりしてしまったわけである。

 

2017年頃から値上がりが続き、750円→790円→890円、そして980円と変遷している。

 

言ってしまえば『どんどん値上がりし続けている』わけで、このままでは下手すればいつか、1杯1000円を超えてくるかもしれない。

 

(*先述の通り店舗によって価格が異なるが、2019年10月以降は890円が最安、高い店は980円となった。)

一蘭が値上げをした理由のひとつは間違いなく海外進出だと思う

結論から言ってしまうと、一蘭が値上げをした理由の一つには、やはり海外進出という要因が大きいと言える。
2016年9月、ニューヨークに一蘭の1号店が出店することが報じられた。

 

もともと国内でも外国人観光客がメインターゲットと言っても過言ではなかったため、海外進出という戦略はある程度理にかなったものかもしれない。

 

ニューヨークでは一蘭のラーメンは1杯2000円程度だそうで、その強気な価格設定が話題となったが、海外の物価を考えれば、それほど驚く値段でもないのが実情なよう。

 

少し話が逸れたが、ここで、海外進出の変遷を簡単に確認したい。

 

2016年9月 ニューヨークに第一号店出店
2017年6月 台湾に第一号店を出店
2018年3月 マンハッタンに2店舗目を出店
2019年3月 タイムズスクエアに3店舗目を出店

 

とまあ、このような感じで海外進出を続けている一蘭だが、
2017年4月:100円の値上げを行い、790円→890円に。
さらにその後、2019年10月からは最低890円、店舗のほとんどは930円か、都心部なら980円、という価格設定に変わってしまったわけである。

 

この価格改定と海外進出のタイミングを見ると、やはり海外進出に必要な経費を国内の店舗で補おうとしているように感じないだろうか?

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確かに材料費の高騰などの影響があるのも否めないだろうが、それにしても、怒涛の値上げラッシュはやっぱり海外進出が本格化したタイミングと重なる。

 

普通に考えれば、「海外進出にかかるコストを国内店舗で補うため」と考えるのが妥当だろう。

もともと日本人より外国人観光客を優先している側面はあると思う

海外進出に伴って現地に一蘭専用工場まで作っているのだから、コストがかかって当然である。その費用を捻出するために、国内の一蘭の値段をあげるのは致し方ないのかもしれない。

(とはいえやっぱり、国内でも食材の値上がりが続いているのも事実であり、その観点からも値上がりせざるを得ないという事情もあるのだろう。

 

この時期、他のラーメン店や飲食店でも値上げは相次いでいた。一蘭ほどのラッシュではないが・・・)

 

↑今の話題には直接関係ないが、50代の女性の先輩と一蘭に行ったとき、一蘭が初めてだというにも関わらず、嬉々としてオーダー用紙に「10辛」と記入し、美味しそうに一滴残らず完食されたときの写真である。

 

秘伝のタレは旨いがさすがにこの量は・・・と思うけども、時々マニアっぽい雰囲気の初老のおじさんなんかが、同じように嬉々として10辛を啜っているのを見かけることもある。勇気がある人は試してみる価値はあるのかも。)

 

 

本題に戻るが、一蘭はもともと、日本人の顧客よりも外国人観光客、及び外国人をメインターゲットに据えている節があるのも事実だろう。

 

昔から外国との玄関口であって九州、福岡発祥という土地柄もあるのかもしれないが、外国人向けの割高なお土産、多言語に対応したオーダー用紙等、外国人観光客への対策は本当に徹底している。

 

店員と口をきかなくても注文ができるシステムは、外国人を多く相手するのに便利である。

(昔一蘭の行列に並んでいた時、店員さんに中国語で話しかけられたことがある。向こうももう、もはや日本人より中国人の方が圧倒的に多いという感覚があるのだろう)

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店舗拡大は他のラーメン屋に比べてコストがかかる

とはいえ一蘭は最近、海外だけでなく、国内でもどんどんと店舗を増やしている。

 

チェーン店としてより事業を拡大しようとしている様子だが、普通に考えて、一蘭は他のラーメン屋より新店舗を増やすためのコストがどうしても高くなってしまう。

 

チェーン店なのである程度仕方がないとはいえ、一蘭の一番の特徴はあの味集中カウンター。

新店舗をを展開する場合、居抜きなどもってのほか、1からあのカウンターを作らなければならないのである。

 

京都にも店舗拡大を狙う色々なラーメン屋があるが、居抜きで新店舗を立ち上げている店も少なくない。

一蘭の場合、この辺りのコストを削れないし、アクセスの良い都心部への店舗展開も多いため、色々とコストはかかってくるのではないかと推測できる。

コストがかかっても味を変えないのはチェーン店の鏡かもしれない

じゃあどうしてそんな高いのに、人気が続いているのか?と考えると、やはり単純に美味いから、他にない味だから、店内が綺麗で落ち着くから、というあたりが主な理由だろう。

 

これは当たり前のことだが、チェーン展開していく中で、同じ味、同じクオリティを長年、どの場所でも保ち続けるのは容易なことではない。

 

技術面でもそうだし、何よりコストもかかる。

 

そして多くのチェーン店が、ラーメンの値段を据え置きにしたまま、クオリティを落としたり、店員の教育を怠ったり、とにかくコストダウンに躍起になり始める。

一蘭の人気が続いている理由は、そういう部分が大きいのではないかと思う。

 

京都でも、経営が苦しくなったからと言って、麺の質を落としたり、チャーシューが薄っぺらくなったり、挙句スープが不味くなったり、そういう店は結構多い。

 

そんなことするくらいなら200円値上げして、前のクオリティを保ってくれたらまた通うのに、と思うが、結局味が落ちた店には、いくら値段が据え置きでも足は遠のいてしまう

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飲食では日本一経常利益率が高い一蘭

あのすだれ式のカウンターシステムのおかげでこちらの顔も見えないが、店員も例え金髪タトゥー外国人でも特に問題はないし、日本語が上手くなくても問題がない。味集中カウンターのおかげで団体客も会話がしづらく、回転率は上がる。

そういった面が功を奏したのもあって、利益率はかなり高いようだ。

 

やはり何より、外国人向けに強いブランド力を築いたおかげで、あれだけ強気な価格設定も可能なのだろう。

実際、外国人(特にアメリカ人)の一蘭のレビューには『1杯800円~900円なんてとてもリーズナブルだ!』と書かれていることも多く、日本と海外の物価の違いを思い知らされるばかりだ。

 

(コロナ禍で打撃を受けたかと思いきや、ECサイトを一新して、そちらの方で莫大な利益を上げているというのだからすごい。)

 

工場で全てのスープを管理して各店舗に届けるセントラルキッチンシステムなので、そういった面から見ても、無駄を削ぎ落とし、徹底的な合理化を進め、かつクオリティの維持を徹底している、いわば飲食店経営の鏡とも言えるのかもしれない。

(↑これは秘伝のタレが1/2倍の写真。私がいつも食べているものだ。

(私はネギが嫌いなので必ずネギなしをオーダーするが、白ネギと青ネギ、両方〇をつけると両方載せられるという裏技もあるね。

さっきの10辛の画像と是非比べてみてほしい。もはや別物・・・

海外の反応、レビューまとめ

それでは最後に、一蘭に対する海外の方の反応をまとめてみたい。

 

こちらは単純に、Googleマップに投稿されていたレビューの中から、外国人のレビューをいくつか拾って掲載するというものである。

 

Googleマップでは自動翻訳がかかっているため、日本語がところどころおかしいところは手動で修正し、要約したものを掲載する。

 

【海外のレビュー】

 

・リーズナブルな価格で美味しいラーメン。独特の雰囲気がある。

 

・有名なお店らしく、味は平均以上。 また、一蘭は大阪では並ぶが、ここ京都河原町店では酒を飲み終わった11時過ぎに行くので、待ち時間なしですぐに食べることができて良い。 濃さと辛さの段階を調整できて旨い。

 

・日本語が話せない場合、システムの仕組みが分かりづらい。食券を買ったあと、好みの味にカスタマイズする。辛いのに慣れていない人にとっては、非常に強い辛味があるので注意してください。

 

・店に入ると食券を買わされるが、行列は食券を買った後の店内に続いている。軽食を食べたいだけなら、他にも良いお店たくさんある。あれだけ並んでいることが店の外から分かったら、店には入らなかった。美味しいが、並ぶ価値はない。

 

・行列は長いが、回転は速いので気にすることはない。

 

・ラーメンは930円で決して安くない。チャーシューは薄く乾燥していて、有名店なだけで他にもおいしい店はある。

 

・初めて訪問してラーメンを食べたが、とてもおいしい。ただ、店の外から見える光景に騙されないで。中には人がものすごく並んでいます。

 

これは主に京都河原町店の外国人のレビューなのだが、アメリカ人が多い渋谷店などとはレビューの雰囲気が結構違ったことに驚いた。

 

(渋谷店では、先述したように980円のラーメンを「リーズナブルだ」という声が結構目立ったが、こちらの京都河原町店のレビューでは、「安くない」「行列が見えないようになっているのはやめてほしい」といったマイナスな意見が目立つ。)

 

京都という土地柄、一言で外国人と言っても、東京(主に渋谷?)のほうとは客層が異なっているのかもしれない。

度重なる値上げにコロナ禍、外国人からの手厳しい批評などを見ると、一蘭が主張するほど経営は本当に順風満帆なのか・・・?と疑問を抱かなくもないが、なんだかんだ言っても一蘭は美味しいので、私はつい、食べに行ってしまうのである。

 

だからこそ、私のエゴとしては、海外進出は控えて国内の顧客を大切にし、クオリティも落とさず、これから先も営業を続けていってほしいなあと思うばかりである。

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