麻雀を打っていく上で最も基本ともいえる「5ブロック理論」。
麻雀の勉強を少しでも始めた人なら、一番に聞く理論だと思います。
単純に言えば、麻雀に必要なターツ(ブロック)は5つなので、それが6つになっていたら、6つ目を落としてより良いイーシャンテンを目指しましょう、みたいなお話ですね。
その中で、ちょっと私が迷った「6ブロックからトイツ落としするかどうか」の牌譜を今回見ていきます。
(ちなみに内容としては、ウザク本緑として有名な「ウザク式麻雀学習 牌効率」を参考にしています)
これは選択肢としては「8p」か「北」の比較になるかと思います。
これ、麻雀期待値シミュレータ的には、和了確率でいうと8p切り、期待値(点数)でいうと北切りになります。
ウザク本的には「巡目が早いなら北切り」という結論になっています。
(シミュレータ的には総合的にあんまり差がないのかな?という感じですね)
6ブロックから5ブロックに絞るのは2シャンテン→1シャンテンに行くときということを考えると、ここで8p切りでもそれほど悪くないと思うのですが、ここでのポイントは2つ。
8p切りは6ブロック維持するということ
8p切りか北切り、どちらを選択するにしても、分かっておかなければならないのは、8pは6ブロック維持打法、つまり「8pを切っても、そのあと他のブロックが完成すれば、どこかのブロック落としの選択を余儀なくされる」ということ。
つまり、8p切って7p入っても「5-5-6-7」と「北北」が残るわけで、そうなると5-5-6-7の亜リャンメンはフリテン、結局他のリャンメンに手をかけるしかなくなる。
このように、それを切った直後の受け入れに問題がなくとも、2巡先のことを考える雀力を身に付けることが大切なんだな、と思うわけです。
「北」のトイツ落としだとヘッドなくなるやんという不安
ある程度牌効率を勉強していると、「2ヘッド理論(ヘッド候補のトイツは2つ残す」)というのは超基本的な理論として覚えさせられます。
これは大半のトイツに有効で、リャンメン変化がない「1s,1s」「9s,9s」みたいな端牌のトイツであっても、最後シャボ待ちになった際の出あがり率まで考えて、結局2ヘッド残しが有効になると言われています。
(ちょっと雑な説明ですみません。これは別のところでもう少し丁寧に取り扱います)
今回の牌譜でいうと、その「2ヘッド残し」が頭にあると、なかなか北のトイツ落としってできないな、と思うわけです。
(一般的な2ヘッド残しの何切るは5ブロックの状態のものが多いので、今回のような6ブロック→5ブロックの時にどうするか、というケースはあんまりないんですよね。)
完全イーシャンテンの醍醐味は縦引きへの対応
当然ですが、忘れてはいけないのは「2ヘッド残し(完全イーシャンテン)の旨味は、そのうちのどちらかがアンコった時、つまり縦引きにも対応でき、そのうえで横引きにも対応できる」というところですね。
ざっくり言えば、縦にも横にも待ち受けを構えられるのが完全イーシャンテンです。
ただ今回、「北」と「5p」のトイツの場合は、北は縦引きのみで、横の広がりがありません。
つまり、ここで北をヘッド候補として残すうえで気にしなければならないのは、「北がアンコになる可能性はあるのか(残り枚数)」と、そもそも「北」は横の広がりがない、という2点です。
ここで整理できるのは、6ブロックから5ブロックに移行する際、今回のようにヘッド候補の一つが字牌の場合、横の広がり、場合によっては縦の広がりも薄い可能性が高いことを意識し、2ヘッド残す価値が低くなることを念頭に置けるか、という点です。
今回は打点面で「北」切りが有効
さて、今回のもう一つのポイントですが、これは打点面で「北」切りがかなり有効であるという点です。
まず「北」切りだとタンヤオが確実に見えます。
そこから鳴けばさらに三色まで見える、というのがこの手牌のオチです。
打点がかなり上がるうえ、最悪喰いタンでスピードも早められる、という旨味たっぷりの打牌です。
このように、結果的に(シミュレータ的に?)8p切り、北切りに大きな差がなくとも、その意味を瞬間的に考えられる雀力を身に付けることを意識していきたいですね。
それでは今回のまとめです。
- 完全イーシャンテンの旨味は縦引きと横の広がり両方に対応できること、逆に言えば、ヘッド候補のトイツの一つが字牌など、その後の広がりが薄い場合、2ヘッドの価値が下がることを念頭に置く
- 上記に関連することだが、完全イーシャンテンに取れずスピード面で若干劣ったとしても、その分明らかに打点が上がるなら、必ずしも完全イーシャンテンにこだわる必要はない。
- そもそも今回のように喰いタンにもっていくことが可能な手牌なら、スピード面でもむしろ有利に進められる。
実際の対局で何を切るかも大切ですが、このように打牌の意味を一つ一つ深堀りしていく時間も大切にしたいな、と思います。