2ヘッド理論は麻雀牌効率の基礎となる理論ですが、なかなか理論通り思考停止で打っていれば良い、というわけにはいきません。

特にブロック数は6つあるのにヘッド候補(トイツ)は一つ、という場面。

ここで大切なのは、「ヘッド固定したほうが良い場面」と、「ヘッド固定しないほうが良い場面」があることです。

端寄りのトイツをヘッド固定するというウザク本

本日もウザク本ベースのお話をしていきたいと思いますが、まずこちらの牌姿。

現在6ブロックなので、5ブロックにする3s切りか、9s切りかどちらか良いか、という議論です。

 

ウザク本的には「8sのヘッド固定で9s切りが良い」と一番最初に出てくる牌姿なのですが、受け入れ枚数だけでいうなら3s切りでもそれほど問題ありません。(5種20枚)

 

シミュレータの期待値、和了率は9s切りのほうが僅かに上ですが、ここで9sを切れるようになるためには何を意識すれば良いのでしょうか

Sponsored Link

端寄りのヘッドを固定するのは有利

これはウザク本で取り上げられていたテーマの一つですが、端寄りの「8-8-9」などのターツは、残しておいても良系変化の芽が薄いため、ヘッドがないのであればいっそ固定してしまったほうが有利、という理論です。

 

この理論で最も大切なのは、「ヘッドがないのは困るから固定する」という感覚と、「良型変化しない」という点です。

 

牌姿のパターンが変わった時、それを分かっているかいないかで大きく雀力が変わります。

「2-3-3-4」の中ぶくれから平和が見える

2-3-3-4の中ぶくれを残すことで、下記のような変化が期待できます。

ヘッド固定という選択肢が頭にある状態で考えてみると、2-3-3-4の中ぶくれに1sなどを引くと、リャンメンリャンメンのピンフに変化することが分かります。

こうなれば、シミュレータ的にも打1pですね。(最終的に1-3-5のリャンカンを落とすことになるかと思います。)

 

これを「6ブロック維持」と考えると少しややこしいのですが、単純に「ヘッドが固定されているから、「1-3-5p」のリャンカンと、「3-4s」のリャンメンの比較、と考えると、それはもうリャンカンを落とすに決まっていますよね。

 

リャンカンを落としている最中は一時的に6ブロックになりますが、単純にヘッドを固定して見た時のターツの強さの比較、という話で1-3-5pを落とせるかと思います。

 

コツとしてはやはり、

  • 6ブロックで1トイツの際、ヘッドを固定して他のターツの変化を見る
  • 常にピンフやタンヤオを念頭に置いて打つ

 

このあたりの意識が大切になってきます。

 

色々な知識が交錯してくると、何が大切なのか、どの理論を使えば良いのか分からなくなってくるので、一つ一つ整理していきたいところです。

Sponsored Link

6ブロックの時は弱いターツを落とすのが基本

今回は最初に6ブロック維持でのヘッド固定の例を挙げましたが、上記のような牌姿では、「7-8-8」の形が十分に強いので、ヘッド固定をする前に3sを落として5ブロックにしましょう。

 

「中ぶくれが強い!」と覚えていても、結局それをどのタイミングまで残しておくか迷う場面がありますが、今回のように、完全イーシャンテンが見えるような形であれば3sを落として5ブロックにしましょう。

 

ひとつ前の牌姿と違うところは、ヘッド候補が「8-8s」だけか、もしくは「7-8-8s」の形になっているか、の違いだけです。

 

つまり、ヘッド候補がただのトイツの場合(他にも横方向の広がりが薄いなど、純粋にヘッド候補として弱めな場合)はヘッド固定、そうではなくリャンメンターツ含みの強いヘッド候補の場合は、もしその時に6ブロックなのであれば、ひとまず5ブロックに移行する、というのがセオリーになります

 

やはり、ヘッド固定の根拠として「8-8-9はリャンメン変化がないからいっそ固定してしまって、他のターツの変化にその分の枠を与えたほうが良い」という考え方が基礎となっていますね。

Sponsored Link

 

場況によって判断が変わる牌姿?

下記の牌姿をご覧ください。

ウザク本にて「6s引きのリャンメン変化を考えて7s切りはあまりしない、場況を見ながら考えるべき」と紹介されていたものになります。

こちら、先ほど私がお話していた「端寄りはヘッド固定有利を意識しつつ、ピンフ変化を見る&中ぶくれという強い形があるのでとりあえずのヘッド固定」という理論で行くなら、7s切りが正解になるんですよね。

 

ちなみにシミュレータ的には、期待値は20点ほど7s切りが有利、和了確率は0.16%ほど3s切りが有利になります。

 

ここで学ぶべきなのは、やはり「最初の牌姿でヘッド固定有利だったのは、リャンメン変化の芽がない分、どうせヘッドがないのであれば他のターツに余裕を残したほうが良いという部分がかなり効いてきてるんだなーという感覚」だと思います。

 

理論的に理解した後、感覚的にも分かっていないと、時間のない実戦ではなかなかすぐに答えが出せないことも多いのではないでしょうか。

 

今回の牌姿に実戦で出会ったとき、「7s切りヘッド固定6ブロック維持」か「3s切りで5ブロック移行」かがそれおほど大きな変化はなく、例えば1-3-5pのリャンカンの部分の残り枚数だったり、6s-8sの枚数などを意識して打牌を決めるべきである、ということを理解しておきたいですね。

 

(ただこの牌姿も、「ヘッド候補が弱ければヘッド固定、強い場合は今何ブロックか数えて、6ブロックならば5ブロックに移行する」という基準に則って考えると、「7-9-9s」は強さとしては結構微妙(リャンメンではないので弱めではあるが、「8-9-9s」などと違って6s引きなどで純粋なリャンメン変化が狙えるという程度)のため、シミュレータ結果も微差になるというところまで理解していれば、実戦でも役に立つでしょう。

端寄りヘッド固定&ピンフ目を見る

これまでの知識を活用すると、ちょっと迷いそうな下記のような牌姿も考える糸口が見つかりやすくなります。

ソーズがごちゃごちゃとしていて、なんとなく一盃口も見えるせいで迷ってしまいそうですが、

「ヘッドがない6ブロックなので、とりあえず端っこのほうのヘッドを固定する」という意識で、例えば5s切りや2-4-6に手をかけたくなる発想は排除できるかなと思います。

 

そういう目でよく見てみると、9sを切ることで「5-6」「6-7-8-8」の亜リャンメン引きでリャンメン+リャンメン+ヘッド、もしくは素直に6s切りなどで、ピンフ形も見える最善手であることが分かります。

番外編(6ブロック3トイツの時)

今回のテーマからは少し外れますが、番外編として、下記の牌姿を見てください。

これだけ6ブロック維持を前提としてお話をしていると、突然下記のような基本的な牌姿が分からなくなったりします。

上記の牌姿は、単純な6ブロックです。

ただ、これだけ「6ブロックの時はヘッドを・・・」という話をしていると、つい「これはヘッド候補が3つあるから、8s切りでリャンメン固定だ!」としてしまう人がいるかもしれません。

 

これは当然間違いで、あくまで6ブロックを考えて打つのは、「ヘッド候補が一つしかなく、しかもそのヘッド候補が弱い時」だけです。

 

上記は3ヘッド形かつ6ブロック、しかもどのヘッド候補も弱くなさそうですね。

つまり、ヘッド云々の議論ではなく、単純に6ブロックから5ブロックに移行すべき場面と言えます。

(当然、答えは1p切り一択です。)

 

逆に言えば、今回のテーマのように6ブロックでヘッド候補が一つしかない時のほうが、6ブロック維持か5ブロック維持の選択を迫られるケースは多いのかもしれません。

 

最後にまとめると、6ブロックの手からの何切るを考える際、

  • 手牌を考える上で、ヘッドの数を基準にする
  • ヘッド候補が1つの場合は、「そのヘッド候補が強い形(リャンメン含みなど)」であれば5ブロックに移行、弱い形の場合はヘッド固定など、6ブロックを維持する方向性の打牌を考える
  • ヘッド候補が3つあるなどの場合は、6ブロックであるなら、ヘッド云々を考える前に先に5ブロックにすることを考える

 

といったところでしょうか。

 

ヘッドを軸とした牌効率は麻雀の基本であり、結構奥が深い部分でもあると思っています。

是非、自分なりに情報を整理し、正しくヘッドとお付き合いしていきたいですね。

コメントを残す

麻雀の関連記事
  • 【麻雀】ターツオーバー(6ブロック)から字牌トイツ落としする場面
  • 【麻雀】2ヘッド理論の例外的なトイツほぐしと安牌確保のコツ
  • 【麻雀】6ブロック1トイツの時にヘッド固定するべき場面の判断
おすすめの記事